新国立美術館:カルティエ展

2019.12.4
新国立美術館 カルティエ展へ

本当はこの日は家でダラダラする予定だったけど、他の行きたい美術展の会期と自分の休日を照らし合わせると行くしかなくなって、とりあえず一番アクセスしやすい新国立美術館へ。
移動時間は短くないんだけど、自宅最寄り駅から乃木坂駅への電車の乗り換えが少ない事と、新国立美術館が乃木坂駅直結な事が錯覚作用を起こして「ご近所!」くらいの認識ではある。

13時過ぎに自宅を出発、前述の少ない乗り換えを間違え多分に時間をロスし14時半に新国立美術館に到着。

駅から直結で新国立美術館に入りロッカーに荷物を預ける、でもカバンは持っていたいのでカバンの中に入っている重いものをロッカーに入れるが、そんな事まで考えていないのでいつも中身をそのまま突っ込む裸スタイル。

ロッカーの中って普通こんなに生活感出ない。

今まで新国立美術館に来た時は入ってすぐの展示室に入るので2階は初めて、こんな事でも興奮してしまう。

入場してすぐ行列が、何事?と思っていると、音声ガイドの列でさらに音声ガイドが無料!前のバスキア展もそうだったし、新しい美術展の常識?それとも流行り?
しかも、渡されたのは音声ガイド用にされたスマートフォン。さすがカルティエ、洒落てんな!と思ったけど、これは始まりに過ぎなくて、最初から最後まで徹底したカルティエの”手を抜かない精神”の片鱗だった。

最初に言っておくけど、このカルティエ展、あたおか(訳:頭おかしい)ですわ!あたおか(褒)あたおか!(褒)

実際に展示を行ってから前述の動画見たらなおの事思うけど、この展示、元を取れていないのでは…?

【展示構成】
序章:時の間 ミステリークロック、プリズムクロック
第1章:色と素材のトランスフォーメーション
第2章:フォルムとデザイン
第3章:ユニバーサルな好奇心

この展示環境を設計したのは”新素材研究所”という設計事務所らしい、絶対にこの名前覚えておかねば…

展示室内はとにかく薄暗くて壁も真っ黒、そんな中にいきなり現れる天井からスポットライトのように吊るされた布が各作品を囲んでいる。なんだこの空間は、作品が美しいと感じる前に、展示環境が美しすぎる。まだ序章よ?

動画より

序章の展示ではミステリークロックという針とムーブメントが繋がっていないかのように見える時計の展示、とても美しいのだけどこんな繊細な時計、部屋で落としたらおしまいだわ、物理的にも金銭的にも。
あまりにも美しい時計過ぎて時間の管理はできなさそう、この時計見て「早く風呂入んなきゃ 」とはならない気がする。

展示されている時計はすべて10時10分を指している。これは昔”死化粧師”という漫画を読んだ時に知ったことだけど、「時計にとって一番美しい瞬間は10時10分を指している時」なんだそうで。
確かに左右対称で美しい顔をしていたけど、実際に動いている所も見たかったな。

第1章に入ってからはいよいよジュエリーたちの展示、前述の動画にあったように展示空間自体は天井から吊るされた布が蚊帳のようになっていて、さらに木の展示ボックスの中に作品が展示され、さらにネックレスの台座も木で出来ていてそれが全部職人による手作業で彫られてるっていうんだからやっぱり頭おかしい。(褒)

動画より

ジュエリーの展示会は以前、ジュエリーブランドの”ショーメ展”に行ったことがあるけど、その時は展示ボックスの背景が真っ黒だったから目の前にあるガラスケースに鏡のように自分が映ってしまって、若干、ジュエリーという作品の世界観、「ああ、どこのお姫様が、女優がこのジュエリーを身につけたのかしら…」という気持ちに没入できず現実に引き戻された事があったけど、今回の展示では展示ボックスの背景が木目だからガラスには何も映らないしよかった。
ここら辺も計算のうちだろうか?

(ショーメ展では最初こそ自分の姿がガラスに映って目の前のハイジュエリーと現実のギャップにテンションが下がってたけど、後半は自分がガラス映る位置を調節してまるで自分がショーケース内のティアラを付けているかのように見える遊びを発見して楽しんでました。)

第2章はこれまた空間が採石場のようになっている。なんなんだこれは、本当に美術展なのか?

動画より この石ブロックが展示空間内に無数にある。

第2章は定番の形からは少し離れた、日常に使われているものからデザインの着想を得た作品やアクシデントから生まれた作品、宝石の装飾品というくくりの中で動きや立体感を表そうとする作品たち。

アクシデントから生まれた作品とは、車の下敷きになって壊れた時計を見てデザインされた時計たちで、時計の枠がズレていたり、ガタガタだったり溶けていたり、突然サルバドール・ダリがアートディレクターに就任したんですか?と言いくなるほどの崩しっぷり。

立体感を表すためなのか、本当に立体的な…というかもう厚みがすんごい指輪、多分、つける指よりも宝石のほうが厚みがあるような指輪がゴロゴロ展示されていて、ご夫婦でいらしているらしきご婦人が旦那に放つお決まりのギャグ、「私、この中だったらこれがいいわ(指差しながら)」はこの部屋で何回言われたんでしょうね。
私がいた時はとりあえず1回は聞きましたけど。

それにしても、作品の注釈で時々見かける”個人蔵”は、一体どんな個人なのか…
一部の”個人”はデヴィ婦人ではないんですか?むしろ「一部デヴィ婦人から作品をお借りしています!」くらいの事言ったら来場者は増えると思う。けど徹底的に作りこまれたカルティエの世界観の質が下がるかな…(デヴィ婦人の質がどうとかではなくて、近年バラエティで体を張りすぎ)


それでもって展示されている作品は一般に発売している(していた)ものなのか?オートクチュールなのか?プレタポルテなのか?
新国立美術館の住所は港区六本木ですけど、「わたしこれ持ってる~!」とかはあるのか…
(カルティエ六本木ヒルズ店がある)

第3章、突然の写真撮影OK!
そこかしこで電子シャッター音が聞こえる!
でもね、絶対に作品を生で見れる感動を忘れてはダメ、写真はキレイに撮れるし後で見返せるけど、生で得られる感動はここでしか得られないから、 写真には写らない美しさがあるから※
(出典:THE BLUE HEARTS リンダリンダ)

でも撮れるなら撮るよね!

ティアラ 1955年 モナコ大公宮殿コレクション
ホイップクリームといちごのようでかわいい。
ネックレス 2008年 個人蔵
実物はもっときれいだったけど、写真で見ると高級な中尾ネジネジネクタイみたい。
左から クリップブローチ ブローチ ネックレス
猫感すごい。
ソートワール 1925年 
サクマドロップ?
ネックレス 2008年 個人蔵
個人蔵の”個人”って…”Dark Horse”の時のKatyPerryじゃないだろうな?

ブレスレット 2016年
第1章にも同じ配色のネックレスなどがあり、バレエリュスに着想を得て作られたものだそう。
美術展を巡っていると時々目にするバレエリュス、どれだけの人に影響を与えてるんだろう。
ヴァニティケース 1924年
スマホケースにしたい。
「クロコダイル」ネックレス 1975年
ネックレス…?

他にもたくさん写真撮ったけど気になったものだけ。

あとはお楽しみのミュージアムショップ!

偉そうに!と言われるかも知れないけど、「カルティエ…わかってんなぁー!」と言いたくなるほどいいショップでした。

まず、ショップ全体からしておしゃれな空間で、

普通のはがきサイズだと、安っぽい感じも多少否めないなか、この絶妙なサイズのポストカードに、

なに書いてもおしゃれに決まる、黒に至っては白いペンしか受け付けないメモ紙…

極めつけはこれ!クリアファイルの指をかける半円部分が絵柄の方ではなく、白紙の方についている!!
これだよ!今まで何回も思っていたよ!「なぜ飾っておきたい絵柄の面に指かけの部分を持ってくるのか!?!?なぜ!?!?」って思っていたら、久しぶりに裏面が白紙で指かけが白紙の方にある飾っておくのに最高なクリアファイルに出会えた…わかってんなぁカルティエ展(グッズ担当)…

ミュージアムショップで買ったものはこちら

ポストカード×4枚
あれだけ熱く語っておきながらクリアファイルは買っていない。
封筒までおしゃれ!

最初から最後まで徹底した手の抜かなさ、きめ細かさ、気遣いの極み、こだわりの鬼、カルティエがカルティエたる所以が分かる展示でした。

多分、カルティエは時計、ジュエリー以外の何を作っても、こっちが想像もできないようなこだわりを見せてくると思う。そうゆう姿勢のブランドなんだろう、きっと、ひとつも持ってないからわかんないけど。

金持ちになったら絶対カルティエで何か買います。