渋谷Bunkamura:永遠のソール・ライター展

2020.1.9
渋谷のBunkamuraで行われている”永遠のソール・ライター”展へ。

会期は2020.1.9~3.8、つまり今日が初日。
今まで「まだ会期終了まで余裕あるし~」なんて言って会期終了直前になって駆け込みで行ってグッツが一部売り切れているなんてパターンが私の王道、お察しの通り夏休みの宿題も最終日に泣きながらやっていたタイプの人間です。

興味が沸いた。
初日の開場時間ぴったりに行ったら、どうなるの?

どうなるんだろう。考えたこともなかった。今まで会期終了直前に行ったり、入場が遅くなって、その割にじっくり作品を見たいもんだからその日の閉場時間ギリギリまで居座って警備員さんに「もうすぐ営業終了時間です。」とアナウンスを受けていたのが「ただいま営業終了時間です。」に変わり さっさと帰れ の圧を受けながら急いでグッツを買って帰った覚えはあるんだけど…
もしかしてiPhone新機種発売した時やアバクロが日本に初上陸して新店舗オープンの時みたいに従業員がイエーイ!フー!っつってハイファイブで迎えてくれるなんて事ないよね?正直それなら行きたくない。

多分それはないと思いつつ、ものは試し、会期初日の開場に間に合うように行ってみた。

開場は10時、Bunkamuraに着いたのは9時55分。やはりギリギリ。

やはりチョロっと並んでいるだけで特に何もなく、10時が来れば扉が開いて地下の会場入り口まで誘導されただけだった。そりゃそうか。

と思っていたけどチケットを買って入場したらフィルムのようなものを配っていて思わず受け取る。
知らなったけど、フィルム型しおりを先着100名に配るキャンペーンをやっていたみたい。
開幕初日の分は終わってしまったけど、今後は1/17(金)と1/24(金)の18時以降に行った人100名に違うタイプのしおりを配るらしい。

ロッカーに荷物を預ける。bunkamuraのロッカーは100円いらないから財布を出さなくていいのが楽。

音声ガイドはなし。ゆっくりじっくり観て、どのグッズを買うかじっくり迷って所要時間は2時間半。

【展示構成】
PartⅠ ソール・ライターの世界
 1.Black & White
 2.カラー(1)
 3.ファッション
 4.カラー(2)
PartⅡ ソール・ライターを探して
 1.セルフ・ポートレート
 2.デボラ
 3.絵画
 4.ソームズ
 5.その他

被写体を観てどこの国だと特定できるような写真ではないのに、自分が海外に行った時の街の香りを思い出すような写真たちだった。

単に構図やモチーフが素敵な写真も多いけど、鏡やガラスを使って被写体が二重に投影される写真や、働く人を隙間から覗き見るような(人聞きが悪すぎるが展示の中の解説にも書いてあった)写真はこちらの感情をワクワクさせたりストーリがあるのではないかと思わせるような写真ばかりで、そこにさらに先ほどのソール・ライターに引き出されてた異国の香りを加えて圧力鍋で15分煮込めばアラ簡単、エモーショナルの完成です。

以前「絵は描けないけど、シャッターは押せる」みたいな写真コンテストのキャッチコピーを見た(気がする、どこで見たのかまったく思い出せない、夢?)。
確かに絵を描くよりシャッターを押す方が簡単で、むしろ今の時代シャッターなんてなくてスマホで写真も撮れるし、それが作品として評価されるなら画家より写真家の方がいいかもしれない。

でも「誰でも写真を撮れる」からこそ作品の評価の基準は高くなるし、高度な技術や美しさ完成度を求められると思う。

ソール・ライターの作品は「観てると海外に行った時の香りを思い出す」というように作品が情景を、五感を刺激してくる。

思い出を共有している家族や友人と同じ写真を見返せば「この日寒かったね」なんて事を思い出して話せるかもしれないけど、それを会ったこともないソール・ライターという写真家は引き出してしまうのだからやはりすごい、それとも私の記憶の引き出しがカギもかかっておらず不用心でガバガバで空きっぱなしでダダ漏れなんだろうか。

後半のセクション、ソールライターの妹を撮った”デボラ”、恋人を撮った”ソームズ”もやはり写真を見ると関係性が伝わってくるようだった。
妹のデボラは最初は緊張してポーズをとっていたけど、後半ではかっこいいコートを着て自然体でカメラに写っている。こんな仲のいい兄と妹がいるのだろうか…私のいとこの兄妹は学生時代みかんを投げあって喧嘩してたので信じられない…

ソームズの写真もそうだ、だたのラブラブカップルではない。
以前働いてた会社のおば様に「あなたは友達のような関係の男性と結婚する。そんな気がする。」と言い切られ「そんな風になったらいいなぁ」なんて思っていたけど、今のところ結婚の予感は微塵もない、ソームズの写真とそれに添えられた文章を見ていたらそれを思い出した。
「互いから逃げ出そうとしたこともあったけど一度もうまくいかなかった」

あとは個別に気になった作品の羅列。

作品No,12″ミリアム”の右隣、大き目のコートを着て頭に花の飾りのついた帽子を被りおどけてポーズをする少年2人、なんだか見覚えが…と思ったらトレンディエンジェルの「斎藤さんだぞ」に見えてきてもうだめ。

作品No,84″無題” お気に入り。前半の作品たちは人物を撮っていても特定の人物を撮るためではなく人物を含めた情景やストーリーを意識した作品がほとんどだったけど、ここに来てファッション誌のための作品。ポスターにして飾りたい。

作品No,48″そばかす”こんなかっこいい表情、注文してやってもらったのではないんだろうなあ。この少女に何をしたソール・ライター。

作品No,70″夜のバス”これ最高。速攻ポストカード買った。

作品No,129″父、兄とのセルフポートレート”父は聖職者で、ソール・ライター自身は父の反対を押し切り神学校を中退と解説にもあったが、この写真見るとまだ父怒ってんのか?と思うほどカメラを無視して本を読んでる。大人げないぞ!

会場を出てから、ポスターの写真をスマホで撮った。
壁が光沢のある石だったのでポスターを撮るついでに壁に移りこんでいる自分も撮ってみた。
早速ソール・ライターの手法を下手なりに取り込んでみたけど最初から上手くいくわけもなく、ポスターは光で飛び自分はマヌケに仁王立ちしている。でも場所や条件が良ければ上手くいくのかもしれない。それは場所や光や天候に撮影の良し悪しを大きく左右されるという意味であって、カラー写真の先駆者であるソール・ライターはじめインスタグラマーもTikTokerまで連綿と続く撮影者の悩みなのだなぁと当たり前の事を思った。

Bunkamuraでは美術展のほかに舞台・映画などを行っていてそのフライヤーがいつも並んでいるが、

明石家さんまと大竹しのぶを隣に置くのは完全にいじってますねBunkamuraさん。

買ったもの

1枚165円 2枚で330円也。

ピンクに輝く街の明かりと夜の紺色が絶妙すぎてこの写真を見た瞬間に「このグッズがあったら絶対買おう」と決めてた。無事ポストカードがあったので購入。この作品のグッズは他にもファイルとかあったから人気の作品なんだと思う。

それにしてもこの色を絵の具などで自分で作ったのではなくて、街の風景から写真を切り取ったのがすごい。作ろうと思っても作れないだろう。

もう一つのポストカードは一瞬見た時は写真ではなくて絵かと思った。雪が汚れていなくてきれいな足跡が小説の挿絵みたいに美しい。
ソール・ライターは雨の日や雪の日の写真が多い、なので必然的に傘を持っている人の写真も多い。特に赤い傘。
私も赤い傘買おうかな、真っ赤な派手なヤツ。
地味な服装の私が「なんでそんな派手な傘にしたの?」と聞かれたらキメ顔で「ソール・ライターの影響で。」と言ってやりたいのだ。