建築倉庫:クラシックホテル展

2020.2.20
建築倉庫で催されているクラシックホテル展へ。
天王洲アイル駅から建築倉庫まで歩いて5分、途中サンマルクカフェに寄って軽食。
というのも、開館時間直後に行って展示を見てその後に予定を入れた方が調子がよく、この日も出来るだけ早くに家を出て電車に乗って建築倉庫に向かっている最中に「場所の下調べでもしておくかな、確かチケットはオンラインで買った方がいいみたいだったし、電車の中で買おうかな」なんて思って建築倉庫の公式HPを眺めていたら、”何故自分がこの2020.2.20(木)にクラシックホテル展に行こうと決めたか”というのを思い出した。

私は「同じ行くなら展示の事をより深く知る事ができるし、木曜日に狙っていこう!」とまで意気込んでこのクラシックホテル展ガイドツアーに合わせて2.20にクラシックホテル展に行く事にしたのに、当日すっかり忘れて「開場直後に入ろう!(`・ω・´)キリッ」とか思ってこのガイドツアーの開始時間を完全に無視していたのである。
もう本当にすっとこどっこいである。

なので急遽予定を変更し、天王洲アイル駅近くで早めの昼食を取り、12時過ぎに入場、展示を見終わる頃にガイドツアーに参加する事にした。

建築倉庫に入ってすぐに受付にオンラインで買ったチケットの画面を見せる、フライヤーをもらってすぐ入場かと思いきや、
日付の入ったシールを「見えるところに貼ってください」と言われたのでコートに貼り、
「館内は撮影OKです」と説明され、
「荷物はロッカーへどうぞ」とロッカーを指さされ
「倉庫見学も受け付けていますが、参加されますか?」と聞かれたので、よくわからないまま「参加します」と答え、
「同時開催の模型都市東京の方も入る事ができます」と伝えられよくわらないまま「はい」と答え、
逆に意気込んできたガイドツアーの事は一切聞かれず、でも伝えられた情報を整理するのが先でこちらからも何も触れられなかった。
正直、入場からめんどい。
正直ついでに言うと、この展示は高い。
3100円である。
バスキア展で内心「これって普通の入館料?一般一枚の値段?トートバック付とかのチケット買わされてないよね?ペアチケット?」とキョロった私が、3100円なんて、映画は必ずレディースデイやファーストデイ(毎月1日)割引が効く日にしか行かない私が、3100円なんて!!
でも結果的にこのちょっとめんどくさい入場での情報を丁寧にこなしていく事で帰る頃には3100円はめちゃくちゃ適正価格と断言できた。
おなじ払う3100円ならば余すことなく楽しめる3100円にするためのエントリーです。

①クラシックホテル展
入場の案内を受けてからまずは主題の展示であるクラシックホテル展へ。

入ると意外と狭い、とても狭い!
大きい美術館のように流れるように歩いて作品を鑑賞する…というより四角部屋にギュッと展示されている。
こういう時に私の中の嫌な部分が「3100円…」と囁く、うるせぇ、わかってるよ広さと比例してねぇよ、でも8つのクラシックホテルの情報が詰まってるんだよ、観るよりも情報と世界観に浸る展示を…と思っていると隅に座っていた学芸員さんが「展示されている椅子は座れるので是非座ってみてくださいね」と声をかけてくれた。
えっ、ウソ?

これ座っていいの?それどころか触っていいの?
ここにある椅子は全て今も営業しているホテルで実際に使っていて、特別に借りてきたもの。
一部の椅子は置いてある場所から撮った写真が椅子の隣に飾ってあり、座ってホテルの写真を覗き込むと実際にホテルにいるかのような視点を楽しむ事ができる。
そういえば受付で写真も撮れるって言ってたけど、改めて声をかけてくれた学芸員さんに聞くと「動画以外は大丈夫です!」と言ってくれた。
椅子に座らせてくれて写真もOKなんて、なんて太っ腹な展示なんだ…!

8つのホテルを特集し、クラシックホテルの成り立ちや歴史などのカテゴリーに分けて展示をしている。

②倉庫見学
受付で誘われるがままに申し込んだ倉庫見学は1時間ごとに行なっており、私は14時からの枠に申し込んだ。
「時間になりましたら受付周辺に集合してください」と言われたが、そもそも何の倉庫の見学をするのか?建築倉庫の全体の解説ツアーをしてくれるのかな?など思いながら14時の3分前になりチョロチョロと受付の前に行き、手持ち無沙汰なのでグッズ売り場などを見ていると「倉庫見学に申し込まれた方ですか?」と声をかけられる。
振り向くと職員の方で「倉庫にご案内いたします、この時間の方は申し込まれたのはお一人なので…」

えっ、私一人ですか?

「えっ、私一人ですか?」と思わず聞くと「そうなんです、ご案内しますね、行きましょう」とあっさり答えられ不安になってくる。
人気ないのか倉庫見学。人気ない倉庫見学に私一人ですか。

受付から外に出て駐車場を超えて向かいのドアに入る。荷物を運搬する用のエレベーター(なのにすごく中の装飾が凝っている。写真撮っておけばよかった)に乗って最上階の倉庫へ。途中、ガイドの方からパウチされた倉庫の見取り図を渡してもらい、簡単に倉庫の説明を受ける。
中にはこれまでに建築倉庫で行われた展示会で使用された建築模型のアーカイブなどが展示されているらしい。

エレベーターを降りると少し暗くて天井が低くてキャビネットが沢山ある部屋に入る。ここだけ読むと犯罪臭がするな。
そこには所狭しと建築模型が並んでいる(実際に通路が狭い所がある)
「14時45分にはここを出るので、40分くらいにまたエレベーター前に集合でお願いします」と言われるが、集合も何もない、ツアー参加は私だけでガイドさんと2人でここまで来たのだから、それは集合ではなく待ち合わせである、っていうか、あれ、私ここに放流されるの?特に何の説明もなく?そうなの?ツアーっていうか放流?放流ツアー?

あっ、そう…ですか…と思いながら放流された私は手始めに近くにある建築模型に近づき見始めるが、広い空間に1人で寂しいなんて思いを忘れるほど建築模型に釘付けになった。この建築模型がとにかくすごい。緻密。
どうやって作っているのか…
60〜80cm×50cmくらいの大きい建築模型で規則的ではない部屋が入り組んでいて、しかも吹き抜け、みたいな建物の天井が一枚板(紙?)で作られているって、どんな計算すれば作れるわけ?そういうソフトあるの?
この倉庫見学は毎日行われているそうです(「このツアー毎日やってるんですか?」と聞くと「そうなんですよ〜混む時間は混むんですけどね〜(まさかこの時間の参加者1人とは私も予想してませんでしたよ〜)」みたいなニュアンスで言われたので毎日やってる事は確かです)

③模型都市東京
最初は常設展かと思っていたが、こちらも期間が決まっている企画展らしい。
入り口にはでっかいQRコードが待ち構えていて、私は最初特に気にもせず中に入り、え、え、何これ?なんの展示?と思って入り口まで戻って、

この展示の”ご挨拶”みたいな所を読んで、やっぱりよくわからなくて中にもう一度入った。

中はレンタルスペースの中身をそのまま展示しており、内容物やレンタルした目的によって個性が溢れ出ている。レンタルスペースというより、人の部屋を外から覗き見しているような気分になる。

こりゃやばいぞ…と思っているとなんかヒソヒソと聞こえてくる。レンタルスペースの前にはヘッドホンがかけられており、そこからヒソヒソと音が漏れ出ていて耳に当てるとレンタルスペースを借りた人へ電話で取材した音声が流されている。

下記は取材でレンタルスペースの主に聞いていた質問の全て。

一番欲しいものは?
朝食は?
特技は?
今どこにいますか?
生まれは?
どこに住んでる?
東京は好き?
会いたい人は?
持ち歩いているものは?
避難生活をするとしたら何を持つ?
先月はどこへ行った?
来月はどこにいる?
月に必要な金は?
あなたにとって家とはなんですか?
家族とは?
結婚についてどうおもう?
子供時代の思い出は?
ほっとする場所は?
生きがいを感じる場所は?
好きな歌は?
愛されていると感じることは?
よく利用する場所を3つ教えて?
夢は?

この質問がずっとリピートで流されている。
これが、会ったこともない人の話なのに面白くてずっと聞いてられるのである。

言葉にならないまま、こりゃやばいぞ…(2回目)と思っていると、そういえば、入り口にでっかいQRコードがあったことを思い出し、戻って読み取ると”模型都市東京”の展示のHPへ飛び、”声の主”の簡単なプロフィールを読むことができた。レンタルスペースを借りている人に共通していることが、ブログやTwitterでなにかしら発信をしているようで、プロフィールの下にリンクが貼ってある。

レンタルスペースの中身をそのまま展示にしているはずなのに一つだけ何も入っていないスペースがあり、ヘッドホンを付けて声を聴くと女性で年配の方で、QRコードから飛んでプロフィールを読むと路上生活をしているそう。
このレンタルスペースを何のために、どうやって借りているのか、何も入れないのか?

この方もTwitterで発信をしているようで、リンクから飛ぶと、この”模型都市東京”の展示開始期間の前日の2020.2.7からTwitterでつぶやいており、もしかしたら、展示をするにあたり発信するように展示企画者からお願いされたのかもしれない。

とにかくレンタルスペースを見ているだけで、借りている人のストーリーが気になって気になって仕方ない。私はこんなに人間に興味があったのかと驚くほど、知らない人の事が気になる展示だった。

展示期間中はクラシックホテル展に入った際にもらえるこのパスを見せれば何回でもこの”模型都市東京”に限り入場できるそう、何故ならレンタルスペースを借りている人が荷物を置きに来たり、逆に荷物を取りに来たりして展示の内容が流動的に変わっていく姿も展示の趣の一つだから。

ショップはクラシックホテル展のグッツこそないけど、建築倉庫のおしゃれなオリジナルグッツが多い。

クラシックホテル展につられてホイホイ建築倉庫まで出向いたわけだけれども、クラシックホテル展をはじめ、倉庫見学と模型都市東京と3セクションで全4時間半も滞在したっぷり味わい尽くした展示でした。